SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

呉線一周旅行

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20210314175416j:plain


前にも書いたかもしれませんが、この週末は三連休です。
旅行に行こうと思ったのですが、日本中どこ行っても雨。
私は車の運転スキルがゼロなので、本格的に雨が降ってしまうと移動が本当に辛い…。
いろいろ考えたのですが、土曜日は倉敷にある大原美術館に行ってみました。
屋内だと雨でも大丈夫だし、岡山だったら日帰りでいけるという見込み。
5年前にも倉敷に行ったのですが、そのときは月曜日だったので美術館が閉館でいけなかったのです。

開館時間直後に美術館に入って、見てまわることしばし。
…本館展示の西洋美術品はコローとかセガンティーニとかモローとか、すげーきれいでよかったのですが、工芸・東洋館に大量に陳列されていた焼き物が全然興味ないのです。
あんまりまじめに見るのもしんどいので、興味ある物だけちょいちょいみてまわったら、思いのほか早めに見終わってしまいました。

このまま帰るのもちょっとがっかりなので考えることしばし、前からいって見たいと思っていた竹原に足を伸ばしてみることにしました。
竹原は、朝ドラ「マッサン」の主人公の実家として有名。
そして、アニメ「たまゆら」の聖地として大人気。
さらにいえば、瀬戸内海のこの周辺は、上述の倉敷や尾道、そしてうさぎが大量に住むことで有名な大久野島、など女性に人気のある観光地がたくさんあるのです。
ということで、竹原の風致地区は本当にいろんな種類の観光客がいました。
落ち着いた年配の方たち、若い女性複数のグループ、若い夫婦、そしてオタクども。
オタクどもは、タブレットでアニメ画像を確認しつつ、同じ確度で写真を撮ろうと頑張っているのですぐにわかります。
私はアニメとか全然興味ないのでよくわかんないのです。
でも、市街を一望できる丘に立つ普明閣を見たときには、ふう、かえで、まおん、のりえの4人が遊んでいた場所と全くいっしょ!
あと、お好み焼きやさん「ほぼろ」のモデルとなった「ほり川」がすげー人気!
憧憬の広場も再現度すげー!
と、わからないなりにちょっと胸が熱くなりましたよ。
風致地域自体は1時間もあれば歩いてまわれるほどのこじんまりした場所ですが、雰囲気がでていてすげー良かったです。

よく考えたら、ここから呉がそこそこ近いです。
ネットで「呉が超オススメ!」とかいうのを見て以来、気にはなっていました。
ということで、さらに呉へ移動。
電車の中でスマホ見てみたところ、メインスポットは駅から程近くにある「大和ミュージアム」と、隣接する「海上自衛隊呉史料館」。
到着してみると、けっこうたくさん人がいます。
なんか、戦艦とか軍隊とかに興味ある人が、先を争ってグッズを買ってますよ。
ひととおり見てまわったのですが、戦艦大和の縮小模型とか、機雷とか魚雷の実物大モックなどはさすがの迫力です。
ただ、今回よくわかったのは、私は本当に機械類に興味がない…。
「艦これ」とか「ガールズパンツァー」にも乗り遅れた私には、あんまりピンと来なかったというのが正直なところです。
次はとびしま海道とか行ってみたいな。

写真は普明閣のある西方寺の桜です。
意外と雨が降らずに満開でした。

(2015年4月5日)

 

バーチャルネットアイドルと昔の思い出

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20210117141058p:plain

以下の文章に現れる方々は、私は直接の面識なく、かつメール等やり取りしたこともありません。
一方的に私がサイト等を通じて存じ上げていただけであり、もし事実誤認等があればお詫び申し上げます。

バーチャルネットアイドルVNI)として活動なさっていたチェき14歳さんが、亡くなっていたことを知りました。

 

同じくVNIだったもなみ9歳が10年ほど前に引退する際、

でも、電子の精霊のもなみはともかく、もな兄の体も心も10年は保たないでしょうから、ある年から更新しなくなった、実は管理者が亡くなっていた、なんて事態になるよりは、ここで綺麗に終わりにしたほうがいいと思って、結局おしまいにすることにしましたー。

と書いていましたが、まさにこういうことが起きるのだなと改めて感じました。

もなみ9歳跡地

 

この方を初めて知ったのは、もう15年以上前、当時はやっていたシスタープリンセスアスキーアート(AA)がきっかけでした。

アスキーアート(シスプリ→旧作)

(たぶん、「チェき14歳」という名前も、シスタープリンセスの登場人物四葉の決めセリフ「チェキ!」からとったものだと思われます。
 今となっては、「四葉」といえば、五等分の花嫁のほうが有名になってしまいましたが。)
語尾の「デス」や、「(えー)」という自己つっこみ、「ごはん」を「ぐわん」、「テレビ」を「テテビ」と呼ぶなどの独特の言語感覚に加え、その後流行したラグナロクオンラインを題材としたGifアニメや、大相撲コラなどで有名な方だったと思います。
数少ない、今でもそれなりに活動なさっているVNIでした。

2000年くらいにVNIの始祖ともいえる「ちゆ12歳」が爆発的なブームとなったことをきっかけに、その後雨後のタケノコのごとく大量のVNIが誕生したのですが、今となってはほぼ壊滅状態です。
「VNIアンテナ2」なるページを見ると、一見そこそこVNIサイトが残っているように見えますが、そのほとんどはドメインの更新切れで業者が取得した状態が放置されたものです。
はてなアンテナ - VNIアンテナ2

有名どころでは、上記のもなみ9歳は引退、おこめちゃんはVNIの看板を下ろしてしまいましたし、もともとVNI臭の薄かったうろんちゃんも更新まばら。
メモリ11歳はTwitterでは活動しているようですが…。
 米:Okome
 うろんちゃん:http://picnic.to/~zerry/uron.html
 メモリ11歳: http://gantsu.a.la9.jp/memo/

ちぇキ14歳が亡くなり、まともにVNIとして活動しているのは、公式サイトの更新は止まっているもののnoteで頻繁に記事を投稿している、始祖ちゆ12歳だけのように見えます。

ちゆ12歳のオタク日記|ちゆ12歳|note

VNI界の始まりにして終わり、アルファにしてオメガ、それがちゆ14歳という感じでしょうか。

代わって今人気なのは、バーチャルユーチューバー、略してVTuberです。
美少女のアバターを使うことで、おじさんが美少女になり切って配信するという「バーチャル美少女受肉おじさん」略して「バ美肉」おじさんなる単語まで現れました。
そういえば最近、男性が可愛い女性向けの服を着て美少女の外見となったり、また何らかの魔法等で男性が女性そのものに変化するような漫画が流行っているようです。

*一例:

seiga.nicovideo.jp
VNIでもキャラは美少女でも中身はおじさんというのがありましたが、技術が進歩してもやっていることは結局似たようなものなのかもしれません。

そもそも私がチェき14歳を知るきっかけであったシスタープリンセスは、20周年記念としてこの令和の世にVTuber化しました。

「シスター・プリンセス」20周年チャンネル - YouTube


20年前。
ダイヤルアップ回線(14400kbps)でインターネットをしていた時代。
まだフィルムカメラが健在だった時代。
movaが主流だった時代。
坂本ちゃんとケイコ先生が東大受験勉強していた時代。
田代まさしが初めて逮捕された時代。
なんというか、もう記憶があいまいなほど時間がたってしまったなと思いました。

画像は2002年メガネです。
20年位前といえば、このメガネを真っ先に思い出してしまいます。
懐かしいです。

DA.YO.NE

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20210102111359j:plain

最近、「だよね~」が口癖になっているのに気づきました。
とくに、会社で後輩相手によく使います。

私「今日測定したサンプル、いい結果でた?」
後輩「ほとんど効果なしです。心の目で見たら、むしろ少し悪いくらいです。」
私「だよね~」

私「さっき説明に行ったあの課長さん、現状理解してくれた感じ?」
後輩「いや、ぜんぜんです。なんかよくわからないこだわりがあるみたいで…。」
私「だよね~」

いつの間にか無意識に使い始めたようですが、最近この口癖がどこから来たのかに思い当たりました。
輪るピングドラム」というアニメに出てくる渡瀬眞悧というキャラクターの口癖がそのままうつったのです。
http://penguindrum.wikia.com/wiki/Sanetoshi_Watase
世が世なら最優秀新人ピンク髪賞を受賞しそうなほどの見事な長髪と、やたらきざな話しっぷりが特徴のミステリアスな二枚目キャラ。
これ、もしかしなくても超絶激イタですよ。
美少年キャラの口癖を真似するって、本物の中学二年生でもなかなかやらないほど、ひどい中二病患者の症状です。

私の仕事柄もあるのかもしれませんが、試みた仕事がほとんど失敗する運命にあります。
実験なんてものは95%失敗するものでして、残り5%も部分的な成功でちょっと前にすすむにすぎません。
名著「電波男」で有名な本田透というライターはかつて、
「期待を裏切り予想を裏切らない」
といいました。
私は仕事しているとき、常にこの言葉が頭をよぎります。
そして、何か結果が出るたびに諦めの気持ちと共に
「だよね~」
と言ってしまいます。
口癖は、その人の印象を形作る大きな要素の一つです。
私はマイナス思考な人間なのですが、こういった口癖からもマイナス思考であることが周囲に伝わるのでしょう。
以前の会社の同期に
「だーいじょうぶ。問題ないって。」
というのが口癖の人がいたのですが、彼の放出するプラスの力は相当なものがありましたよ。

逆から言えば、口癖はキャラクターの性格を印象付けるのに便利なので、アニメや漫画の世界ではとてもよく使われます。
ブロッコリー社は2005年に株価が急騰したことで、経済関連の新聞において「萌え」の単語を定着させるきっかけとなった会社です。
この、ブロッコリー社の公式マスコットキャラ「デ・ジ・キャラット」の語尾「にょ」は今でも強い影響を残しているといえるでしょう。
以来、日本の中枢を荷うエリートディーラーたちは萌えキャラの語尾による人気の盛衰にも注目し始めたのです。

語尾の研究については、優れた先行文献によるデータベースがあるので、個別の例を述べることはしません。 
http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%AA%9E%E5%B0%BE%E3%81%AE%E4%...
しかし、一つだけ個人的な経験に基づく意見を言わせていただくなら、
「○○だお!」
という語尾の人を実際に見たときには、とんでもない衝撃を受けたことだけ指摘しておきましょう。

(2015年04月05日)

コンテンツツーリズムに頼らなくてもよい強み

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201230100538j:plain

昨日はなんだか疲れてしまって、午後10時半に就寝。
ぐっすり寝て起きたら、午前3時半でした。
なんか目が冴えてしまったし、今日は晴れの予報だしということで、始発近くの電車で伏見稲荷大社に行ってきました。
むかし、お昼に行ったことがあるのですが、人1に対して鳥居1くらいの混み具合だったのでもうちょっと空いた時間に行きたいと思っていたのです。

ここ数年、いろんなところを歩き回っているおかげで、多少脚力が鍛えられてきたようです。
前回来たときは伏見山を上るのがとてもしんどかったのですが、今日は全くといっていいほど疲れを感じませんでした。
観光パンフレットなどではいわゆる「千本鳥居」の写真が載っていますが、千本鳥居自体は山のふもとに数十メートル伸びているだけであり、伏見稲荷のごくごく一部にすぎません。
山に登るといたるところに「お塚」という石が設置されていて、これを祭った祠に小さな鳥居が奉納されています。
観光地としてだけでなく信仰の場としても機能していて、今日だけでも10人くらいはお塚の前で般若心経を唱えている人を見かけました。

私も全然知らなかったのですが、伏見稲荷大社は外国人にえらく人気があるようで、いたるところに
「Trip Advisorで外国人の選ぶ日本の観光地1位に選ばれました!」
みたいなポスターを見かけました。
これは、スラムダンク聖地巡礼で、中国人とか台湾人が鎌倉高校前の踏み切りに行くようなものか?と思ったのですが、どうやらそんなこともなさそうです。
(参考:  http://j.people.com.cn/94475/8415443.html

直近ではアニメ化された「いなり、こんこん、恋いろは。」をはじめとして、伏見稲荷大社はたびたびアニメや漫画の舞台となっています。
私はアニメとか漫画とかは詳しくないのですが、それでもちょっと考えるだけで「ARIA」地獄少女」「ぬらりひょんの孫」「ガリレイドンナ」「薄桜鬼」くらいが思いつきます。
それなので、不釣合いなアニメ看板が設置されているかと思ってドキがムネムネしていたのですが、予想に反してその手のものは全く見られませんでした。
アニメなんかに頼らずとも、伏見稲荷は十分すぎるほど集客力があるのです!

来週末幕張で「コミケットスペシャル6〜OTAKU SUMMIT 2015〜」なるイベントが開催されるのですが、このなかのブースの一つに「OTAKU JAPAN観光協会」というものがあります。
http://cmksp.jp/cs6/w/otaku-japan/ 

 ここには一応「伏見稲荷参道商店街」も参加しているようですが、それ以上に目を引くのが、市原とか水戸とか襟裳などの、アニメとは何の関係もなさそうな市町村です。
とくに襟裳などは昆布の販促のために「青春☆こんぶ」なる漫画とか「えり萌えGo!」とかいうiPhoneアプリを開発するなど、相当力を入れています。
オタクを呼び寄せようという、必死の努力が垣間見えます。
http://www.seisyun.info/
知名度の高い観光資源を持たない土地は、このようにしてアニメという「劇薬」に頼ってでもなんとかして集客しなければならないのです。
そう、まるで未だに「姫たちの戦国」に頼り続ける滋賀県北部のように…。

持つものと持たざるものの格差を考えさせられる、社会派の小旅行でした。

画像は、山の上のほうに行くとお塚に備えられている鳥居。
どちらかというとこちらのほうが伏見稲荷の本来の光景のように思います。

(2015年3月21日)

滋賀県はまだ浅井三姉妹の顔はめ看板が多い

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201109003223j:plain

温かくなってきました。
冬のうちは琵琶湖西岸とか、北部に行くと雪で大変な目に遭うことが多いのですが、さすがにこの季節になると積雪もほとんどありません。
そこで、以前から気になっていた小谷城跡に行ってみることにしました。
小谷城跡は、琵琶湖の東岸に位置しており、浅井長政の最期の地として有名です。
どうも城マニアにはかなり知られた場所のようでして、当時の城の遺構がそのまま残っている貴重な場所だとのこと。
個人的には城にはあんまり興味はなくて、いい景色が見られたらそれで満足なのですが…。

北陸本線河毛駅から、レンタサイクルで約10分くらい。
さすがに米原より北側に来ると、遠くに来た気分が強まります。
ふもとの「ガイドステーション」なる施設に自転車をとめて、山城への登山に出発です。
まあまあそこそこ勾配はきついですが、1時間もしないうちに城跡に到達できるし、登山道も整備されているのでそんなに苦労しませんでした。
城跡は眺望の良い場所はごく限られており、基本的には林の中です。
確かに石垣とか、築城の際に造成された地形がそのまま残っているのですが、残念ながらあんまり私は興味がなく…。
見晴らし台からは、琵琶湖が見られて良い景色でしたが、欲を言えばもう少し琵琶湖に近ければよかったかな。
ちょっと前に大コケした大河ドラマ「江」のロケ地だったとかで、顔はめ看板とかロケの様子を示した写真パネルとかが飾ってありました。
信長ゴーストが江の背後霊となったおかげで、馬に乗れないはずの江が馬で逃げたとかのオモシロ展開で炎上してしまったことを思うと、涙を誘います。

下山中にすれ違った年配の方のグループから道を聞かれたので、家でプリントアウトして持参した地図を進呈しました。
「学生さん?」とかいわれましたが、残念ながら37歳です。

写真は小谷山中腹からの風景。
琵琶湖に浮かぶ竹生島が見えます。
左手前にある山は「虎御前山」。
浅井長政を滅ぼした際に信長が布陣した場所です。

(2015年03月15日)

横文字にすればいいってもんじゃないってことを肝に銘じておいてクダサーイ

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201101231133j:plain


世間とも足並みをそろえようというのか、私の勤めている会社では
ダイバーシティ(多様性)の推進」
というのが流行り言葉になっています。
会社側と労働組合が足並みそろえて、とにかく「ダイバーシティ」なのですが、同じ言葉使っているのによくよく聞くと両者で定義が異なっているようです。

会社側が言う「ダイバーシティ」というのは、
「多様な出自、能力を持った人が、同じように全力で働く」
ことです。
このため、外国人や女性、または中途入社の採用活動が盛んです。
しかし、いわゆる「働き方の多様性」については、ほとんど省みられていません。
会社としては、とにかく社員に死ぬほど働いて欲しいのだから、当然といえば当然でしょう。

一方で労働組合の言う「ダイバーシティ」というのは、
「同じような意見を持った人が、多様な働き方を選択する」
ことです。
組合が発行する新聞でも、短時間勤務、産休、育休、介護休暇などが成果として華々しく宣伝されています。
ただし、そもそも労働組合というものは、支持してくれる社員の数こそがその権力の正当性の源となります。
よって、社員がいろんな意見を持っていて労働組合に権限を委譲しない、という事態はなんとしても阻止しなければなりません。
よって、ムラ的、独裁国家的な閉鎖主義が蔓延しており、多様な出自を受け入れる体質とはとてもいえません。

各々が「ダイバーシティ」を唱えていても、定義がこれだけ違っていたら話がかみ合うわけがありません。
世間一般に言われている「ダイバーシティ」というのは、
「多様な出自、能力を持った人が、多様な働き方を選択する」
ことなのでしょうが…。


もう一つ似たような例で思い出すのが、最近異動した先の部署の若手が担当させられている「文書整備」です。

彼は新入社員の頃に、まずは仕事を覚える導入として部署間で使用する依頼書とか手順書などの簡単なフォーマットを作成する仕事を担当していました。
これを「文書整備」と称しています。

その後、彼は「文書整備」の経験が豊富だということで、研究から工場での生産に移行するにあたって必要な決まりごとについて、いちから作り上げる仕事が割り当てられています。
えらい方々は揃いも揃って
「おまえは『文書整備』やってきたのだからできるだろ」
といって丸投げしているのですが、当人は手の付け所がわからずに頭を抱えています。

これは当たり前の話です。
どちらも「文書整備」には間違いないのですが

  • エクセルで書類のフォーマットを作る仕事
  • 社内の規定の体系化を行い、どんな文書が必要かを割り出す仕事

は全然別物です。
いうまでもなく、後者のほうが難度はずっと高いです。

このような状態にもかかわらず、今の部署のえらい人々は具体的な指示を下さないために、当人は戸惑っているようです。

私が社会人となって以来、この手の定義のゆらぎが原因となった非本質的な混乱はいやというほど見てきました。
ダイバーシティ」の話は、おそらくは会社側と組合側は半ば意識的に共犯関係を結んでいるのでしょうが、「文書整備」の話はえらい人々が定義の混乱に全く気づいていなさそうなのが本当に情けないですよ。
若き日のルートヴィヒさんが夢見たような要素命題の真理関数の集合体としての人工言語がいいとは言いませんが…。

 

画像は、ダイバーシティからの完全なる逆行です。
人の顔見ただけで「外国の方だ」というのもひどい話ですが。

(2015年03月15日)

私の新大阪八景

大阪市内生まれ大阪市内育ちの私ですが、年に1回くらい

大阪のオススメ観光スポットを教えてください

という質問をされます。
大阪城USJ通天閣、道頓堀という超有名スポットは私が教えるまでもないし、だからといってネットで紹介されているようなダークツーリズム的なものはハードルが高いし…。

少し前に四国に旅行に行ったときに、「四国八十八景」なるものが制定されているのを知りました。
https://www.skr.mlit.go.jp/kikaku/88-kei/

これは、四国のオススメSNS映えスポットをまとめたもので、昔から知られているものから最近有名になったものまで網羅されています。
これはとてもよくできていて、この八十八景を訪れるだけでそれなりに旅行の指針になるのです。
しかし、八十八景も集めるのはさすがに大変なので、八景のほうが一般的なようです。
古くは広重の「江戸近郊八景」が有名ですし、それ以外にもスケールの大きいものでは「日本新八景」、ローカルなものでは「調布八景」「室蘭八景」「枚方八景」などがあります。
では大阪はどうかというと、すでに田辺聖子による「私の大阪八景」という有名な本があります。
Amazon.co.jp: 私の大阪八景 (角川文庫) eBook: 田辺 聖子: Kindleストア

しかし、この本は短編小説集であり、これを読んでも大阪のおすすめスポットを知ることはできないでしょう。
(短編小説集としてはとてもよくできた面白い本ですが)

そこで、試しに私が考える「新大阪八景」なるものを作ってみました。

www.google.com
その1:西梅田駅員によるパンチカスアート

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025205302j:plain f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025205417j:plain

(拡大写真)
f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025205342j:plain
切符にパンチ穴をあけた際に発生する「パンチカス」を使ったアート作品。
地下鉄駅員が作ったアートがすごい!切符のカスで300時間かけ…
2015年に第一弾が発表されて一瞬バズったものの、当時の「もう二度としない」という誓いを破って発表された第二作目は全くと言っていいほど話題にならなかった悲しいアート作品。
人通りのない寂しい場所に展示されていますが、実際に見ると見事です。

 

その2:福島駅ホームの「キクちゃんレンタカー」広告看板

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025205919j:plain

こんなに安くてインカ帝国!!のキャッチフレーズとともに、漫画のようなウィンクが印象的なキクちゃん社長の写真。
これほどパーフェクトな宣伝看板を私はこれまでほかで見たことがないように思います。

 

その3:十萬寺の「痔の石」

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025210315j:plain f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025210351j:plain

住宅街の中に立つ「佛足 痔の石」というインパクトのある石柱。
寺の門はいつ見ても閉まっていて詳細は不明です。

 

その4:大阪会議跡地のレリーフ

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025210825j:plain

五代友厚大久保利通板垣退助木戸孝允井上馨の5人により、立憲政治が合意されたことを記念するレリーフだそうです。
細長い、普通のビルに何の説明もなくおっさんたちが集結しているのは、詳細を知らない人を困惑させる不思議な力を持っています。

 

その5:難波宮

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025211002j:plain

それまで文献でしか知られていなかった難波宮の所在地は、戦後になってようやくその遺構が発見されるに至りました。
しかし、奈良の平城宮跡と違って発見されたのが遅く、すでに周囲には多数のビルが建っていたため、かつての難波宮のうちごく一部のみが公園として整備されるにとどまったのです。
見た目は、都会の真ん中に突如現れる、単なる水はけの悪い広場。
一等地にありながらも、いつも水でびちゃびちゃなためにあまり居心地のよくない印象です。

 

その6:天保山船場

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025211402j:plain f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025211442j:plain

大阪市が運営する8か所の渡船のうちの一つ。
ユニバーサルスタジオ駅の隣、桜島駅から徒歩10分のところに渡船場が存在します。
周りは工場だらけ。
自動車を利用しない場合、USJから天保山にわたる最短ルートなうえに、無料なのにあまり知られておらず、観光客が使うことはまれなように見えます。
昼間は30分に1本の運航です。

 

その7:開運パワースポット自販機

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025211704j:plain f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025211732j:plain

最安50円から飲料を買うことのできる激安自販機。
「これがウワサのパワースポット自販機だす!」だそうですが、私はこの自販機の噂を聞いたことがありません。
すぐ近くには小さな地蔵堂がありますが、たぶんこの自販機とは関係ないでしょう。

 

その8:木津川駅

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025212026j:plain

f:id:odyssey_in_the_sky_with_DEMPA:20201025212101j:plain
大阪の比較的中心近くにありながら、昼間は30分に1本というローカル線並の本数しかない難解汐見橋線
なかでも木津川駅は、地元の人もあまり利用しないようで、ホームからの光景も荒涼としています。
たまに、廃墟っぽい写真を撮りたい人が、撮影に利用するようです。

 

さて、いかがでしたでしょうか?
みなさまの大阪観光の一助になれば幸いです。