SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

俊寛僧都とは関係ありません。

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最近、受験勉強や大学での研究を通じて人間的に成長する青年を描いた長編物語を読破しました。
もともとは頼りなかった主人公が、トラブルにも動じない立派な研究者に、そして愛する妻と結婚した夫へと変化していくさまは、かつてのドイツ教養小説を思わせる感動的なものです。
この物語の中では
「アイしあう2人がトーダイにいくと、シアワセになれる」
という伝説が鍵になっています。
アイしあう2人ではありませんが、私もトーダイいってシアワセになりたいので、今まであんまり行ったことのなかった高知県灯台、ということで足摺岬にいってみることにしました。

高知空港から電車で2時間ほどで宿毛市へ。
そこからさらにバスで2時間くらいで足摺岬
わかってはいたことですがものすごく遠いですよ…。
足摺岬は最初に黒潮が日本に近づく地点として有名ですが、確かに岬からはるか沖合いを眺めると、黒潮の色の違う流れが視認できます。
いい景色…。
あまりにも不便なせいか、ほかに観光客はほとんど見当たりませんでしたよ。

ついでなので足摺岬から車で1時間ほど北上したところにある、竜串というところにも行ってみました。
竜串はいくつかのサイトに分かれた海岸なのですが、どこも奇岩群やシロサンゴ礁が見られることで有名です。
観光パンフレットによると中でもイチオシは「見残し海岸」。
これは足摺岬で修行した弘法大師が、あまりのアクセスの悪さに見残したことから名づけられた海岸で、今でも観光用のボートでしかわたることができません。
とても楽しみにしていたのですが、なんとびっくり強風波浪でボートが欠航でした。
これは!弘法大師と全く同じことを今まさに私も経験した!
まさにコンテンツツーリズムの極地!聖地巡礼
弘法大師たん萌え~!弘法大師空海たん激萌え~!
とかいう罰当たりなことは全く頭に浮かばず、ただ単純に残念無念一休さんでしたよ。
日本のほとんどの場所からアクセスが不便なので、一生にもう一回来る機会ないだろうな…。
おかげで大幅に時間が余ったので、土佐清水市内でふらっと入ったもんじゃ焼き屋さんがおいしかったのが救いです。

鉄板もんじゃ おか柳

まさか土佐清水でもんじゃ焼き食べると思いませんでした。

佐清水は、どこに行ってもジョン万次郎一色でした。
ジョン万次郎資料館、ジョンマンポスト、ジョンマンロード、ジョン万次郎丼…。
ジョン万次郎を大河ドラマの主人公に!という署名活動まで行われていました。
タクシーの運転手によると土佐清水は過疎化が進んでいて大変だそうなので、観光でなんとか頑張ろうという感じでした。

足摺岬に行くと普通に考えると、高知市内に戻るか宇和島に行くかしかありません。
しかし、高知市内にはあまり興味を引く観光地がみあたらず、宇和島に行くと今度は宇和島からの脱出が大変です。
そこで、宿毛からフェリーに乗って九州に渡り、そこから別府温泉に行くことにしました。
別府温泉はいいところです。
いろんな種類の温泉が集中しているので、温泉のはしごをしても飽きることがありません。
私は明礬温泉というところに泊まったのですが、落ち着いた雰囲気だったし、宿で出た料理もおいしかったです。
もう一回行きたいな…。

珍しい温泉の噴出孔をバスでまわる「地獄めぐりツアー」というのに参加しました。
最初は熱湯の間欠泉とか、酸化鉄でまっ赤の血の池地獄だったのが、途中からワニとかフラミンゴとかアロワナとかの見学にすり替わってきて、ネタ切れ感が面白かったです。
このバスガイドさんから「別府温泉保養ランド」というところが泥湯で面白いとオススメされたのですが、スマホで調べてみるとなんか不穏な感じ。
混浴なので女性の裸を狙って待ち伏せする人がいるようで、人心が荒廃している様子です。
吉野屋コピペではありませんが、素人にはオススメできない感じ。
私はどうせメガネをはずしてしまうと、金八先生すらも女性と見間違えてしまうほどのど近眼なので、そんな変なところに行って変な目に遭うのも…ということでやめてしまいました。
寡聞にして知らなかったのですが、日本にはまだ混浴の露天風呂ってあるのですね…。

写真は足摺岬灯台です。
あらためて見ても、とんでもないところにあります。

 

 

なお、「アイしあう2人がトーダイにいくと、シアワセになれる」の出展元も張り付けておきます。
感動的な物語です。

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(2014年12月08日)