ISISについて思う
周辺国に2億ドルの人道援助を決定したって言うじゃな~い。
でも、我々には2億ドルが支払われませんでしたから!
残念!!雑コラに怒りの人質斬り!
というわけで、ISISに振り回される一週間でした。
このような卑劣な誘拐ビジネスには心からの怒りを禁じえません。
しかし、残念ながら私はISISや中東、国際情勢の専門家ではなく、本件について語るべき知見を持ち合わせていない状態です。
そこで、日本人の平均より詳しいとまだ自認できるであろう、雑コラについてのお話です。
今回の騒動では大量の雑コラがISISに送り付けられ、一部の海外メディアからは言論によるISISへの対抗手段としてとらえられています。
シャルリーエブド的なものでも想像しているのでしょうか。
これは、雑コラが権威となる兆候!
MM5です。マジで村上隆が寄ってくる5秒前です。
インターネット黎明期には「コラージュ」といえば、アイコラ(アイドルコラージュ)のことでした。
平たく言えば、アイドルの首すげ替えヌードです。
技術の進歩はエロと戦争から始まるとはよく言ったもので、今よりも画像処理ソフトへのハードルが高かった時代に、職人達は切磋琢磨してより違和感のないアイコラ作りに励んだといわれます。
最近「声優のアイコ」なる人物が昏睡強盗などで逮捕されました。
その際に私は「声優のアイコ」をキーワードとして検索したところ、「声優のアイコラ」に関するページが200件目くらいでヒットしたことを考えると、今でもアイコラには根強い人気があるようです。
2000年代後半になると、コラ界に新風が吹き込みました。
「ぼっさん」の登場です。
正式なハンドルネームを「りぼんちゃん」と称するこの人物は、通称「ぼっさん」(りぼんのおっさん→ぼっさん)と呼ばれる中年男性で、語尾に「でちゅわ」をつけるという強烈なキャラクターで一部マニアの間では有名でした。
ある日、彼は自分の写真をネット上にアップしたのですが、その素朴なたたずまいと計算されつくした構図が瞬く間に話題となり、大量のコラ画像が出回ることとなりました。
いかにうまくぼっさんの姿を、全く関係ない画像にもぐりこませるかに、コラ職人達は腕を競い合いました。
ピザハット店員が商品で遊んでいる姿をネットで公開して炎上した事件の際には、元画像でなくぼっさんが仕込まれたコラ画像がテレビニュースで使われたことで話題となりました。
ニュースZEROにぼっさんが出演!?ピザハット炎上のコラ画像が放映されてしまう事態に!! | ウホ速報
その後、2010年代になると2ちゃんねるの、主にプロ野球中継の実況に用いられる「なんでも実況」板、通称「なんJ」にて別種のコラが流行します。
雑コラの誕生です。
これまでのコラはできるだけ精巧に作ろうという意志が感じられましたが、雑コラにおいては雑であればあるほどよいという風潮へと価値観の変化が見られました。
[な]【画像大量スレ】なんJで笑ったコラ | なんでや速報J
上述URLの226などは雑化の極地と評価されています。
美術史における写実主義から抽象、シュルレアリスムへの変遷とも、比較できるでしょう。
その後、雑コラは野球界以外にも広まり、照英コラ、川越シェフコラなどの大量の追随者が生まれました。
照英が○○してる画像下さい!【照英コラ画像集まとめ】本人知ってた【?000枚】2ちゃんねる【2ch】 - NAVER まとめ
川越達也のおもしろ画像まとめ【シェフ・ください】 - NAVER まとめ
冒頭のISISの雑コラも、この流れに位置づけられるものです。
結論として何が言いたかったかというと、
「雑コラに政治性はなく、単なる悪ふざけに過ぎない」
ということです。
海外メディアがなんか勘違いして、雑コラに政治性を付与しようというのは、雑コラ精神への冒涜とも言えるでしょう。
雑コラは雑であればあるほど尊いものですが、報道は雑であってはならない、責任ある立場の一市民としてそう感じる今日この頃です。
画像は、これも一時期流行った大和田常務の雑コラです。
デュエリスト大和田常務です。
(2015年1月31日)