SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

消費者向け商売の難しさ

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先日、中国産メタミドホス入り餃子事件が終結しました。

中国製ギョーザ中毒事件、被告に無期懲役判決 :日本経済新聞

この事件により中国の天洋食品は消滅にまで追い込まれました。
似たような食品に関わる事件は何度もおきていて、すぐに思いつくだけでもミートホープ船場吉兆なども、不祥事で会社自体が消滅しています。
改めて、消費者向けの食品業界の厳しさを目の当たりにした気分です。
たった一回の失敗で、会社の存立に関わるほどのダメージを受けるのです。
ミートホープはB to Bですが。)

この点、見事なのは明治乳業(現:明治)です。
かつて、日本の牛乳は森永がトップブランドで次が雪印、明治は3番手でした。
しかし、1955年の森永ヒ素ミルク事件と、2000年の雪印集団食中毒事件で両社がシェアを落とした結果、現在では明治のシェアが第1位となっています。
同様の事象は今年も発生しました。
アクリフーズ農薬混入事件です。
これにより冷凍ピザの市場の過半を占めていたアクリフーズ(マルハニチロ系)はほとんどの商品の生産を終了し、市場占有率2位であった明治が冷凍ピザのトップメーカーとなったのです。
私は食品以外でこれほど極端に製品のブランド力が落ちてしまう例を見たことがないように思います。
製造業ではクレームがつきものではありますが、だからといってそのメーカーが1回の問題でこれほどまでにシェアを大きく落とすというようなことは見たことがありません。

…とか考えていると、ふと「エンドレスエイト」騒動を思い当たりました。

エンドレスエイト (えんどれすえいと)とは【ピクシブ百科事典】

当時人気絶頂にあったアニメ「涼宮ハルヒ」シリーズにおいて、8週連続で全く同じ話を放映したために、視聴者からいきなりそっぽを向かれてしまったのです。
私は当時リアルタイムでは放送を見ていなかったのですが、ネット上でみるみる好意的な人が減り、批判的な意見が増えていくのが面白かったです。
8週が終わった時点で、「涼宮ハルヒ」はすっかり「オワコン」(終わってしまったコンテンツ)扱いになってしまいました。

さらに「涼宮ハルヒ」で思い出したのが、主人公役を演じた平野綾に関わる一連の騒動、いわゆる「平野ライフライン事件」です。
黒髪清楚系のアイドル声優としてオタクに大人気であった平野綾でしたが、突然
「私声優じゃないです。マルチで活動する邦楽アーティストですから」
「オタクっぽい人が好きって言ってますが実際彼氏にはしたくないです」
「彼氏はオタクじゃないです」
などとオタクの心を逆なでする言動を連発して、人気が急落した事件です。
その後も平野綾の言動はとまらず、彼女が金髪になったときにはオタク世界内で大騒ぎになりました。
金髪に反対する人たちが、脱金髪デモで盛大に…いや、なんでもないです。

とにかく、消費者向けの商売ってたいへんだと思います。
ペヤングの会社は大丈夫なのでしょうか。
意図的な混入ではなく、かつ生命に危険がないわりには社会的制裁があまりにも過大なように思いますが…。

画像は、日本餃子協会公式キャラクター「ちゃおずくん」です。
なかなかのセンスだと思います。

(2014年12月20日