SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

田村ゆかりさんじゅうななさい

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朝日新聞従軍慰安婦関連の誤報で袋叩きにあっています。
当該の問題については右や左のだんな様が事実を明らかに?しようとがんばっていますが、実際のところは無理無理無理のかたつむりでしょう。
「真実はいつもひとつ!」なんて言葉もありますが、戦地という極端に閉ざされた世界における70年前のできごとで、関係者の言い分が全く整合しないという完全なまでのラショーモン状態。
少し前に読んだ「軍旗はためく下に」という小説の、戦地における真実が全く明らかにならないままに処刑された兵士たちを思い出しました。
ただ一つだけ確実に感じるのは、この問題に何の責任もない、入社間もない朝日新聞の社員たちが本当に気の毒だということです。
本当にいあんなっちゃうことだと思いますよ。

戦略的には、朝日新聞は探られると痛い腹をここまで放置してきたことが、最大の間違いだったと思います。
事がここに至るまでには、今回ほどのダメージを受けることなくこの問題を清算できるタイミングがあったはずだと思うのです。
かつて朝日新聞は、カメラマンが自作自演で珊瑚に落書きによる傷をつけて報道するという事件がありました。
これも朝日新聞にとっては大きなダメージとなりましたが、それでもこの件は組織ぐるみのものではなく、いちカメラマンの勇み足だとして幕を引くことが可能でした。
しかし、今回の慰安婦問題は、そういった方法をとるには放置期間があまりにも長すぎました。
これほど社会的、政治的な逆風が吹く中で、この問題を明らかにせざるを得ない状況に追い込まれてしまったのは、完全なる失敗のように見えます。
この手の問題は、あとになればなるほど処理しづらくなるものではありますが…。

個人的には、カネボウ粉飾決算の問題を思い出しました。
カネボウはバブル期に積極的な経営を行い、多くの分野への新規参入を果たしました。
しかし、バブル崩壊によりこの投資を回収できずに多額の損失が発生し、これを隠蔽するために重要取引先である興洋染織との循環取引による粉飾決算を行ったのです。
本来は一時しのぎの方策であったはずの循環取引でしたが、その後歴代幹部に引き継がれて10年以上継続した末に粉飾が明らかとなり、会社消滅に至りました。
(この経緯に興味ある方は「粉飾の論理」という本がわかりやすいでしょう。)
早めに事実を公開しておけば会社の消滅にまでは至らなかったのでしょうが、対処が遅れれば遅れるほど明るみになったときの傷が深くなるという悪循環でした。
今回の朝日新聞の構図と本当に似ていると思います。

もう一つ思い出したのが、田村ゆかりの年齢詐称問題です。
17歳だとこれまで散々言ってきたのに、あるとき突然
田村ゆかりさんじゅうななさい、もう少しがんばるよ」
と言い出して、ファンの間で本当は37歳なのじゃないかという疑念が広がりました。
そこからの崩壊は早く、今では様々な矛盾点が明るみになり、wikipediaにも1976年生まれだと記載されていまっています。
ショックのあまり、ファンが携帯ラジオを田村ゆかりに投げつけるという事件まで発生しました。

https://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/140303/evt14030300350000-n1.html
これは私にとっても本当に驚きでした。
17歳なので私と同い年だと思っていたら、なんと37歳で実際は私と同い年だったと言うこの事実。
いや、毎年毎年17歳の誕生日をお祝いしているので、何かおかしいなとはうすうす思ってはいたのですが…。

(2014年9月25日)