SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

うるしの近代+東福寺周辺おさんぽ

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「うるしの近代」なる展示会を見るために、京都国立近代美術館まで行ってきました。
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/…/404.html

漆製品については正直そのよさがよくわかっていなかったのですが、今日実物を見て理解できました。
表面がつるつるであるにも関わらず、鏡のような映り込みが少なく、吸い込まれるような黒色がとても美しいのです。
これは実物見ないとよくわからないし、実物見ると一目で理解できることでしょう。
よく建造物なんかで使われる黒大理石だと、ピカピカな状態にしてしまうと完全に鏡のようになってしまいます。
(余談ですが、私はこのような黒大理石が床に使われた建物でふと下を見たところ、女性のスカートの中身がまるまる見えてしまったことがあります。)
一方で漆の場合はこのような光の反射が少なく、見た目に真っ黒に近い状態となります。
キモイ理系風のことをいわせていただくなら、
「素材固有の反射率が低い」
ということを示しているのでしょう。
パソコンのモニターなんかにつける反射防止フィルターと似たような感じです。
作品の中には金粉や螺鈿の比率が高くて華やかなものもありましたが、どちらかというと黒を活かした漆器のほうが美しく感じました。
感動で目がうるうるしましたよ。(漆だけに!)

そのまま帰ろうと思っていたのですが、曇っていたおかげで気温が低くて過ごしやすかったので、東福寺のあたりを観光してきました。
でかい一眼レフもった西洋人の観光客がけっこうたくさんいたのですが、いろんなところで英語が全く通じなくて気の毒でしたよ。
京都といえども中心部と違って英語の看板もあんまり整備されていないのです。
庭園はこの猛暑で苔の色があせてしまっていて、ちょっと期待はずれ。
紅葉の名所だけあって、みどり葉がすごくきれいでした。

写真は東福寺近くの住宅街裏山にある仲恭天皇中宮の陵。
近くにある仲恭天皇陵より見晴らしがよく、こちらのほうがいい場所なんじゃないかと思えてしまいます。

(2014年8月3日)