SNS向きでない長文転記場所

5年くらい前に他で公開した文章をほとぼりが冷めたころに転載したものです

勘違い成功体験のつみかさね

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半分愚痴にちかい話ですが。


私は意識低い系の人間なので自己啓発に関する本とかはほとんど読みません。
ただ、たまに本屋さんに行くと「成功体験」という単語がタイトルに含まれるような本がけっこうたくさんあり、一つのキーワードとなっているようです。

私の人生を振り返ると、受験勉強に関わる成功体験だけは豊富なのですが、それ以外についてはあまり成功してきたような気がしません。
遺憾ながら、私の人生は現在のところ7割程度が仕事、3割程度がプライベートという比率のように思います。
プライベートでの成功体験がほとんどないのは私に特有のことがらのように思うのですが、仕事での成功体験というものを本当に他の人たちは持っているのか疑問に感じたりもします。

最近のニュースを一つ引用します。
すき家:過酷な労働環境…新入社員59%3年以内に退職:
http://mainichi.jp/select/news/20140801k0000m020146000c.html (リンク切れ)
「経営幹部が拡大路線の成功体験を引きずっており、意識が変わらなかった」

もう一つ、ちょっと前のニュースを引用します。
日本板硝子チェンバース社長が家庭の事情で辞任、藤本会長復帰
http://toyokeizai.net/articles/-/10900
「日本の古典的なサラリーマンは、会社第一、家庭が二の次。それが間違いとは言わないが、私にはできない」

どちらも、仕事に人生を捧げることで昇進してきた生え抜き会社幹部が、新規に入社した人々の間の感覚を理解できずに失敗した話です。
個人的にはこれを「勘違い成功体験」と呼んでいます。

この類の話は色んなところで見聞きします。

・局地戦での「成功」を大局的な「成功」と見誤った
・当該の「成功」の特殊性を見逃して、ユニバーサルに適用できる方法と勘違いした
・振り返れば他のやり方なら、もっと「成功」できたはずだった
・実際には失敗した部分も多かったのに、「成功」部分しか見なかった
・「成功」の要因は自分以外にあったのに、自分の行動が成功に寄与したと思い込んだ
・「成功」のハードルが低かったために、誰がやっても「成功」するような条件だった

などの要因で、「勘違い成功体験」を積み重ねた人が相当いるように思うのです。
というより、仕事の世界で100%の成功なんてそうそう見たことがありません。
こういった「勘違い成功体験」を積み重ねた人がえらくなると、本当にろくなことが起きないのです。
一旦「成功体験」を積んで自信を持ってしまった人は、失敗を理解できず、いままでのやり方を変えられないことが多いです。
私がしたっぱの目から見ているからなのでしょうが、本当にこの類の話が多くて気がめいることもありますよ。

(2014年8月2日)