ロプ湖を地図上でどう表現するか?
今話題の新疆ウイグル自治区に、かつて「ロプノール」という湖がありました。
現在では完全に干上がってしまい不毛の土地となっています。
ロプノール周辺の衛星写真です。
http://wikimapia.org/#lang=ja&lat=41.446844&lon=90.477905&z=8&m=b
画面中央下に見えるのが、干上がった旧ロプノールです。
すぐそばに建っている、鮮やかな水色の屋根の工場が目印です。
それでは、各社の地図サービスでロプノールがどのように表現されているか見てみましょう。
- Wikimapia
http://wikimapia.org/#lang=ja&lat=41.446844&lon=90.477905&z=8&m=w
日本ではあまり知られていないサービスですが、wikipediaと同様、不特定多数の利用者がデータを入力して完成させる地図サービスです。
ロプノールの場所は灰色で、おそらく干上がったことを示しており、そしてロプノールの真ん中を道路が貫通していることがわかります。
また、ロプノールから北北西にある「Aydingkol」(アイディン湖)も干上がった湖なのですが、こちらは水色に塗られています。
多くの人が書き込むサービスなので、このあたり統一が取れていないのはありえることでしょう。
あと、ほかの目印として「Bosten Lake」(ボステン湖)の場所を覚えていただけると幸い。 - Google Map
https://www.google.co.jp/maps/@41.446844,90.477905,8z?hl=ja
ロプノール、影も形もありません。
ボステン湖を見つけないと、今どこを見ているかさえわからなくなりそう…。
アイディン湖もごくわずかに残るのみ。 - Bing Map
http://www.bing.com/maps/?v=2&cp=41.600048~90.330525&lvl=8&sty=r&form=LMLTCC
こちらは細かい河川などの表記が多くてわかりづらいですが、やはりロプノールはありません。
Google Mapと同じで、アイディン湖が少しだけ残っています。 - Yahoo! Maps
https://yahoo.jp/1rK_XO
ロプノール周辺を湿地帯として表現することで、干上がった湖だということを示しているのでしょうか?
アイディン湖も同様。
ということで、ロプノールの扱いは各社各様です。
データの提供元がちがったら当たり前ですね。
ということで、各社の中国地図データ提供元を調べてみました。
いずれも地図画面中に表示されています。
- Wikimania…TerraMetrics
- Google Map…Google (自前で地図を作成?、かつてはAutonavi社から提供受けていたはずですが。)
- Bing Map…HERE Technologies、NavInfo Co., Ltd,(四維図新)
- Yahoo! Maps…Geocatalog社
各社地図データの出所がバラバラです
競合しているから当たり前なのでしょうか。
なお、全然関係ないのですが、私はゲーム帝国のせいで「シンチャンウイグル自治区」の単語を聞くと、「ずるいわー」という言葉が脳内で勝手に保管されてしまいます。
どないかしたいものですが、一生治らないでしょう。
https://twitter.com/game_teikoku/status/14277854693
(2014年5月11日)